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マレーシアバティック

以前にバティック関連の催し物で知り合ったOさんという方から、
マレーシアバティックの製造工程の写真と丁寧な解説を頂きましたのでここに紹介いたします。

マレーシアとタイの国境付近、東海岸付近の町、KotaBharu(コタバル)KualaTerengganu(クアラトレンガヌ)のバティック製作風景です。
参考サイト マレーシア東海岸近郊の観光地 マレーシア政府観光局


●KotaBharu
KotaBharu(コタバル)のBATIK工場の写真です。コタバルではペナンなど他の地方からのバイヤーが、この写真のような田舎の工房にまで来ているのが見られます。ペナンなどの観光スポットで買われるBATIKもこちらからの物が多く混じっているとの事です。BATIKが多く生産されているのは通称PCBと呼ばれる海岸沿いの地域です。マレーシアのBATIKは女性用ムスリム服のために作られるものがほとんどです。
そのため4mの布を半分は上着用、半分はスカート用に模様付けします。素材は中国から輸入するシルクです。シルク布は地に花の織り柄のあるものが使われることが多いようです。染料は中国やドイツなどからの合成系の直接染料が主で発色の良い鮮やかなものが好まれます。

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チャンティン(男性が手にしているもの)で溶かしたろうを乗せているところ。インドネシアに見られるようにチャンティンと色付けを1枚の布に何回も行う事はしません。モチーフは女性ドレスだけあってやはり花が主です。

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筆で色を乗せている途中。地色(紫)はチャンティン(防染のためにろうで線描きをする)前に染めたもの。

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スカートの裾になる部分に色を乗せている途中の図。線描きされている部分がチャンティンという道具で蝋を乗せていった部分。ろうで繊維がカバーされているので染料が染み込まない。

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葉の元部分にだけ濃い染料を置いてあとは水だけで伸ばしながらグラデーションを作っている。

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地塗りしているところ。先に染めた部分(筆で色を乗せた部分)はろうで防染していないためチャンティンの線をはみ出す事の無いように塗る。スカートの腰側の部分から塗っている。

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花に色を置いている人の向う側で地塗りしている。工場と言っても家の敷地の一部の小屋。隙間がたくさんあるのは暑いから風が通るようになっている。個人経営の工場なので一度に6枚の布を広げておけるだけの広さ。チャンティン担当の男性一人が経営者でその他色担当の女性4名が学生アルバイト。

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色を入れ終わって乾燥しているところ。まだロウは落としていない。右が上着で左がスカート。マレー人は青が好きなのだそうです。



●KualaTerengganu
KualaTerengganu(クアラトレンガヌ)もコタバルと並んでBATIKの産出量が多い地域です。コタバルとトレンガヌで柄が大きく違うと言うような事はないようです。作っているものも同じムスリムドレスです。

KotaBharu1
全てバティックの工程で生産されるのかと思っていましたら手描きで葉脈を描き込むものもありました。

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まだ地塗りはしていない布。上着部分の柄。派手でなく抑えた色合いになっています。

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写真の色が変なように見えますが先に地を薄い青にしたためです。この後花以外の部分に濃い色を入れます。従ってこの薄い青はろうで描いた部分の色として残ります。

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同じ工場でバティックでなく手描きの布も生産されていました。使途は同じムスリムドレスです。この工場では手描き布の注文が多くなったそうです。布はやはりシルク、染料はバティックに使用している直接染料を水彩絵具程度の濃さに溶いたもの。常識的には直接染料をシルクにこの濃さで染めることはできませんが実用的には問題ないようです。もちろんちゃんと色止めもしています。

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色を乗せているところ。プラコップとヤクルトの空き瓶と普通の筆を使用しています。マレーシアでもコタバルやトレンガヌはマレー人ムスリムが特に多い地域なので女性もほとんどスカーフを着用しています。イスラムの戒律に従って銀行もこのあたりだけは金曜日が休日です。

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れは服地ではなく以前この工場で働いていた方が描いたバティック絵画の一部。有名なマレー凧もこのような蝶のモチーフ。同じものを見ても日本人とは見方が違うのだと感じさせるものがあります。

この工場ではチャップ(スタンプ)物は作っていませんでした。コタバルの観光客が訪れる工場ではチャップもありましたが男性のサロン(腰巻)布かお土産専用のようです。サロン布では綿を使用しているようでした。サロン用チャップはインドネシアの布のように凝ったものでも趣あるものでもなく、また丁寧に作られているとは言えないもので興味を引きませんでした。その分安いです。